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( Last updated: Jan. 02, 2023 )



学生の皆様へ

現代社会を支える科学技術は、新しい物理現象の発見や新材料の開発によって著しい発展を遂げてきました。物性物理学の醍醐味は、こうした未来社会を切り拓く革新的技術や機能性材料の創出にあります。例えば、「超伝導」は送電線や電力貯蔵、量子コンピュータなどへの応用が期待され、将来のエネルギー革命にも繋がる重要な研究分野です。他にも、1023個もの電子が凝縮する物質中には私たち人類の知らない多彩な量子現象が潜んでいます。

当研究室では、新奇な量子現象の開拓・解明を目指して、極限環境における物性実験を推進しています。極低温環境にして熱ゆらぎを抑えると、一般に量子効果は顕著になります。さらに、「磁場」や「圧力」などの外部パラメータを用いて量子現象を制御することにより、その発現メカニズムと密接に関係する情報を得ることができます。私たちのグループでは複数の外部パラメータを極限的な条件にまで制御した物性測定を行い、非従来型超伝導や新奇量子現象の研究を進めています。オリジナル装置の開発や私たち独自の研究アプローチを重視して、ユニークな物性実験に挑戦しています。まだ誰も踏み入れていない『量子の世界』を一緒に開拓してみませんか?

研究とは、「未知の問題に対して解決への道筋を立て、試行錯誤を繰り返しながら徐々に道を切り開き、最も有力な答えを探り出すこと」であると言えます。誰ひとり答えを知らないので、目標達成までに予想以上に時間がかかることもあります。一生懸命打ち込んでも、期待した成果が得られないこともあります。こうした経験は決して無駄ではなく、その積み重ねが次の新たな発見に繋がります。重要なことは、直面する問題一つひとつに正面から向き合うことです。自分で考え、失敗と改善を繰り返していけば、これまでに見えなかった世界が見えてきます。その経験は将来必ず役に立ちます。学生の皆さんには、研究活動を通して創造力や課題解決能力を伸ばし、どんな問題にでも取り組める力を養って、社会に還元できる人材へと成長してくれることを期待しています。


極限凝縮系物性研究室

橘高 俊一郎